海外の美容院事情
長旅で放浪するバックパッカーなら、伸びてくる髪をどうにかしたい気持ちになりますよね。私も長旅中、インドでシャンプーとカットをしてもらったこともあります。日本では美容院が苦手で、自分で切ったり染めたりストレートパーマを当てたり、私は自宅で自分でやっちゃうDIY方式なので、美容院には滅多に行かないのですが、海外の美容院は、私の中で、日本の美容院より敷居は低いです。
そもそも、それほど海外の美容師さんの技術に期待もしていません。
ただ、むさ苦しさや暑さをしのげたり、サッパリできればいいのです。
どっちみちノードライヤーでボサボサか、紫外線でギシギシの髪やし。
異国の体験は、どんなことでも、なかなか奥深いものがありますが、美容院もそうです。
そんなシャンプー台なんや!そんな洗い方?!そんな切り方!そんな仕上がりなん?!
安いからええけど…。
そういう体験、してみたくないですか?
私の、海外でいい美容院を探すコツは、
- その町の人に、おすすめ美容院を聞く
- 店の入り口にケラスターゼかヴィダルサスーンの商品が飾ってある
以上、この2点が必要十分条件です。
これさえクリアすれば問題なし。
あと、それよりも、私の中の大事なこと。
- 日本の美容院の料金(相場としてカット4000円とする)より安いこと
これは、「…安かったし、まあいいや…」と後で自分を納得させるために絶対必要です。
この条件が無いことには、海外の美容院の利用は、私の中ではありえませんのであしからず。
今回のカミーノ旅で、初のスペイン語圏の美容院体験をしてきましたのでご報告します。
カミーノと私の髪の毛
カミーノを歩き始めた2015年、ショートカットだった私は、二年後、歩き終えるまで髪の毛を伸ばして、サンティアゴに到着したらバッサリ切ろう!と密かに思っていました。正直、髪の毛なんてどうでもいいんですが、ゴールしたらやることリストに断髪を入れていた私。2年経ち、ロングヘアになってしまい、暑苦しくて早く切りたかったのですが、何となくサンティアゴまで髪の毛を伸ばしてきました。
この度、無事、ゴールしたので、公約通り(だれも気にしてはいない私だけの公約)髪の毛を切ることにしました。
そして、その髪の毛を、巡礼の本当の最終地点、フィステーラの海に投げ捨てて、「新しい自分に再生や!!」という儀式を行うつもりでした。
(フィステーラは、巡礼中に来ていた服を燃やして新しい自分に生まれ変わる場所と言われています。しかし、今、海辺で燃やす行為は禁止されていました。髪の毛を投げ捨てるなという標識は今のところ無かったので大丈夫だと思います。こちらも、あしからず。)
スペイン語で美容院って?!
スペイン語圏の美容院だと、英語ではなくスペイン語でオーダーせねばいけません。そもそも美容院って?ビューティーサロン?バーバー?をスペイン語で何て言うのか問題。出国前に念のため、必要になりそうなスペイン語を勉強しておきました。
美容院 : salón de belleza(ベジェッサ)
床屋・理髪店 : peluqueria(ペルケリア)
私は女なので、bellezaを探せばいいのだなとまず確認。
髪にまつわるスペイン語
美容師に伝える時に必要なスペイン語を前もって調べておきました。
【単語編】
切る:cortar (コルタール)
髪をすく:vaciar
洗う:lavar
セットする:marcar
髪の毛:cabello
毛:pelo
前髪:flequillo
毛先:las puntas
ロングヘア:pelo largo
ショートヘア:pelo corto
短い:corto
もっと:mas
お願いします:por favor
【上の単語を組み合わせて使う言葉】
もっと短く切ってください:
Corta más, por favor.
(コルタ マス ポルファボーレ)
もうちょびっと短く切ってください:
Poquito más cortito, por favor.
(ポキート マス コルティート ポルファボーレ)
これさえ分かれば十分です。
さらに仕上がりを求めるとしたら、スマホで画像を見せて「ポルファボーレ」でOK(のはず)。
サンティアゴの美容院をご紹介
私が髪を切りに行ったのはコチラ。
Perruqueria Novo Seculo
Rúa do Cardeal Payá, 7, 15703 Santiago de Compostela
https://m.facebook.com/peluqueria.novoseculo
おっと。床屋という意味のペルケリアなんですけど!!!という驚き。
サンティアゴの町のスペイン人にこの辺に「Belleza」がないか聞いて、教えてもらった美容院。のはずなのに、「Perruqueria」でした。でも、店の入り口にヴィダルサスーンの、黒髪がファサーっと風になびいたポスターと、ケラスターゼのヘアオイルが陳列してあったので、必要十分条件クリアで信頼し入店。
案の定、スペイン語しか話せない美容師シルビアさんが担当することになりました。
まず手始めに、ショートカットの画像を見せて、
「Quiero cortar!」と伝えました。
すると、黒いガウンを羽織らされ(前はカバーなし)、ブラッシングもシャンプーもなく、いきなりロングヘアーをザクザク。
フィステーラで髪を大西洋に放つため、切った髪を袋に入れて持ち帰りたいことを伝えねばと思い、
「Quiero una bolsa porque quiero ponerla」とデタラメなスペイン語で伝えました。
多分、キエロ ボルサ(袋が欲しい)で伝わります。
念のため、
「Porqué voy a ir a Fisterra 」
(フィステーラへ行くつもりやし)
と付け足せば大丈夫!(通じるのは巡礼を分かっているサンティアゴに限る)
更に念押しで、
「ペレグリーノ!ペレグリーノ!」
(巡礼者やで!)で完璧。
シルビアもちゃんと理解してくれてビニール袋に私の毛束を入れてくれました。
肝心のカットですが、ハサミを常に横に使います。日本のようにハサミを縦に入れてシャシャシャっと切ることはありません。襟足も、首筋の虫刺されでかぶれている痛いところを、全く避けずにクシでガリガリとこすります。それに関しては毎回ヒリヒリして悪夢でした。
でも、シャンプーも丁寧に泡立てて洗ってくれ、意図せずに耳の中までシャンプーがなだれ込む丁寧さ。
ブロー後に、
「Corta más, por favor」「Más!Más!」
(もっと短く!もっと!もっと!)
を繰り返し伝えても、嫌な顔ひとつしないプロのシルビア。
最終的に、右と左の長さが違おうと全然気にならない満足感が何故だか私の心に満ち溢れていました。(諦めか?)
サッパリして、毛束の入ったビニール袋を手にして店を出ました。しめて20ユーロ。都会にしては安いと思い、納得の仕上がり。
カミーノを歩き終えたペレグリーノの方々!
シルビアに髪の毛をスッキリ切ってもらうのはいかが?
きっと新たな自分になれます。
インナーカラーよ、サヨナラ。白髪見つけて地味にショック…
そしてフィステーラで無事に投げ捨てることができました。
やってみて思ったことは、フィステーラよりも、ムシアの海辺で投げた方が海に届きやすいと思いました。フィステーラは、海まで遠かったです。(向かい風で跳ね返ってきました…。)
服を燃やす昔の伝統はやめて、髪の毛を切って海に投げてみる!新たな儀式。
かなりオススメです。
サンティアゴにはタトゥー屋もあります。
ちなみに、サンティアゴでタトゥーを入れるペレグリーノもたくさんいます。
オススメは「Old Skull」というタトゥーショップ。
50ユーロでワンポイント入れれます。
800km歩いた証を体に刻みたい思いや、足の痛みに比べたらタトゥーの痛さなんて全然!という考えもあります。道しるべとなるカミーノのシンボルマークを自分の体に彫りたくなる気持ちも。800km、30日以上、体をボロボロにしながら歩いてきたペレグリーノたちが、体にその道のり、想いを刻むのはごく自然なことのようにも思えてきます。
日本でのタトゥーに対するイメージ、社会的なデメリットも、カミーノを歩きながらよく考えた上で、それでもタトゥーを入れるという選択肢をとるなら、それもアリだと思います。
https://m.facebook.com/oldskulltattooscq/
アレックスも。
デカパンキティーちゃんも。