私は旅と音楽と映画が好きです。
旅と映画については以前触れましたが、今回は旅と音楽についてダラダラと触れます。
私は、旅の思い出とその時に聴いていた音楽とをセットにしがちです。旅と音楽とを結びつけるのに色々なパターンがあります。
①旅ごとにプレイリストを事前に作っておいて現地で聴く場合
旅立つ前から、合いそうな曲を選んでいると、もうその時からワクワクします。旅先で聴いて、やっぱり合うなーと思ったり、新たに追加したり、イマイチやなと思って削ったりしながらプレイリストが作られています。
私の場合、邦楽なら奥田民生の「イージュー★ライダー」と「さすらい」、洋楽ならJason Mrazの「I'm yours」、ビートルズの「Across the Universe 」が大体、鉄板ソングです。
音ズレなしさすが 奥田民生 イージュー★ライダー今や、旅猿が浮かんでしまう…
Jason Mraz - I'm Yours [Official Music Video]
PV見てるだけで旅したくなる
②旅先で、「うぉー!これめっちゃこのシチュエーションに合うやん!」という運命の出会いをする場合
例えば旅先でiPodをシャッフルしていたり、旅先のラジオやTVで耳にしてその曲と出会い、それ以来その曲を聴くとそのシチュエーションが浮かぶようになることがあります。
私の場合は、例えば雨の日にスペインの屋外バルのワゴン車から聴こえてきたColdplayの「Hymn for the weekend」とか、インドの安宿で腹痛に苦しんでいた時の、MTVで見たグウェン・ステファニーの「Sweet Escape」、ネパールから国境を越えたインドの夜のレッチリの「Californication」など。
Coldplay - Hymn For The Weekend (Official Video)むしろインドに行きたくなる…
www.youtube.comグウェン姐さんに力をもらった
③旅先で知り合った人に勧められて一緒に聴き、それ以後、その曲を聴くと旅の風景よりその人が浮かぶような場合
例えば、スペインのオルッホという強いお酒をショットで飲み続けて、アリソンのスマホで流しながら大合唱し踊ったカルチャークラブの「カーマは気まぐれ」とか、イタリアーノと聴いたイタリアのカンツォーネ歌手アドリアーノ・チェレンターノの「Mezzanotte」とか、インド人ジギーから教えてもらって車でヘビロテした「Papa kehte Hain Bada Naam Karega」とか。
マニアック過ぎる分、思い出深いです。
Culture Club - Karma Chameleon
みんな知ってるカーマカマカマカマカマカメーレーオン
Adriano Celentano - Una carezza in un pugno
真夜中のラブソング。イタリアのエルビス・プレスリー
Papa Kehte Hain Bada Naam Karega [Full HD Song] | Qayamat Se Qayamat Tak | Aamir Khan
この歌、年配のインド人はみんな知ってる
旅を思い出させる装置を音楽で作る
旅の記憶をずっと心に留めておきたいのに、歳をとり年月が経ち、色んなことを忘れていってしまうのが悲しく感じるアラフォーの今日この頃。だけど、ふとした時に色んなことがドドドーっと思い出される時もあります。
旅の記憶の断片で、例えば
カトマンズの雑踏の匂いとか、
モロッコのミントティーの味とか、
あの旅で着ていた服とか
あの日の寒さとか
記憶は色んなもので構成されています。
私は、写真を撮るのも好きですが、写真やメモのように、目に見えて残っている情報だけを手掛かりにするのではなく、音楽や匂い、味とも結びつけて、旅を記憶するようにしています。
ある時、自然とそうなっていることに気づいたのですが、今は、意図的に、視覚以外の情報と旅とを結びつけて、自分で自分に刷り込んで埋め込むこともあります。
例えば、音楽なら、旅の間や帰ってからもしばらくその音楽をリピートし、しっかり旅の思い出を音楽と結びつけておくようにします。
それから頭の隅っこにしまいます。
忘れて普段の生活に戻ったとしても大丈夫。
旅を思い出せる装置を、視覚の情報以外を使って作っておいて、その装置を自分の頭に仕掛けておくと、ひょんな時に旅の記憶が蘇るという条件反射のような仕組み。
表現はよくないけど、嬉しい地雷をたくさん頭に埋めています。
音楽を使ったその装置は、自分1人だけの楽しみにもなるし、一緒に聴いて一緒に時間を過ごした人にも、違うタイミングにはなるけれど、共有できる嬉しい地雷にもなります。
2年目のスペイン巡礼カミーノでの、とある街のアルベルゲの庭での夜のこと。
ディカプリオのルックス、演技力、彼の素晴らしさについて、ワインを飲みながら、長時間、語り合ったオランダ人のサラと私。ちょうど、ディカプリオがオスカーをはじめてとったすぐ後のことだったので。そこには8人くらいの巡礼仲間がいて、ベルギーのスタンは、20年ほど前に、初デートで「ロミオ&ジュリエット」を見に行ったけど寝てしまって彼女に怒られた話なども披露。サラの初恋はディカプリオに似たボート部の先輩だとか、あの頃のディカプリオの美しさはこの世のものとは思えなかったとか、くだらない話をし続け、私はradioheadが好きであの曲でディカプリオを思い出すとか言って、最終的に映画「ロミオ&ジュリエット」のエンディングソングのradioheadの最強に暗い曲「exit music」をみんなで歌いました。特別に何か事件があったわけでもなく、すばらしい風景が広がっていたわけでもなく、美味しい食事だったわけでもない夜でしたが、とても笑った夜でした。
以来、私は、radioheadのあの名曲を聴けば、若かりしディカプリオのこの世のものとは思えない美しい顔ではなく、あの夜のあのメンバーで食べた山のような量のポテトチップスとナッツとか、壁にへばりついていたヤモリとかも含めた、楽しかったあの夜を思い出すようになりました。
別のタイミングで、サラがradioheadのあの曲を聴いたらしく、同じようにあの夜を思い出して私にメールをくれたり、他のメンバーも、クリスマスにYouTubeで見つけたと言って、メールに添付してあの曲を送ってくれたり。
あの夜一緒に過ごした私以外のメンバーにも、あの夜とあの曲が結びついて埋め込まれていると思うと嬉しい気持ちになりました。曲は最強に暗いのに、映画も救いのないストーリーなのに、スペインとは全く関係のない曲なのに、あのメンバーの頭には、あの楽しい夜が浮かぶようになってしまった、不思議な装置です。
Radiohead - Exit Music (For a Film) - Romeo & Julietteロミオ&ジュリエットが美しい…
取り外しできない埋め込み装置なので、何年経っても、曲とともに色褪せずに旅の情景や出会った人が浮かびます。
聴こうと思って聴いた時であれ、
街中やラジオで偶然流れてきた時であれ。
音楽は国境を超えると言いますが、
年月も越えて、風景や人を思い起こさせてくれて、思い出、記憶をいつまでもとどめておいてくれるような力もある素晴らしいものだと思っています。
ベタですが何となくこれで締めます。
NO MUSIC,NO TRAVEL!