アラフォー女バックパッカーの無敵の旅の話

働きながら、少ない給料と有給休暇をフルに使って旅をしている勝手気ままな女の旅の話。旅で撮った写真もはさみつ

カミーノで知り合った旅人の話①〜ブラジル人のイニエルとレイバのこと〜

旅先で一緒に時間を過ごし仲良くなった人たちにオモロい人らがたくさんいます。旅をしたから出会えたオモロい人達。気が向いた時に、何となく、そういう友達を紹介していこうと思います。

 

出会いは2015年のカミーノ

 

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カミーノを歩き始める前夜。同じ宿に泊まったことがきっかけで出会いました。

サンジャンピエドポーのその宿「Beirali」では、カミーノを明日からスタートさせる巡礼者全員で晩御飯を一緒に食べることになっていました。15人くらいで、夕食の準備をし、大きなテーブルを囲み、晩餐会が始まりました。

パッと見た感じ、アジア人は私1人。こりゃー英語のセンサー、研ぎ澄まさないと…と耳の穴をかっぽじろうと決意しました。

晩餐会の開始

 オスタピレイロ(宿の主人)の号令で食事の前に自己紹介が始まりました。 まず、自分がどこから来たか、何語が話せるか、カミーノを歩く目的などを話していこうということでした。集団でそういうのを順番に話すとか、あまり好きではないので、カミーノ前夜だったため、そういうのダルいなーとか思いつつ、自分の順番がきたので、片言の英語で自己紹介。ジャパンから来たと言うと、「オー!」みたいな驚きの声。喋れる言語は少しの英語と日本語だと言うと、爆笑が生まれました。どうも、英語圏かスペイン語圏かフランス語圏かを申告して、席替えをしてみんなで通訳し合って会話しようという狙いだったようで、

「No!Japanese!」(誰も喋れないぜ、ごめんよ!)

みたいな笑いでした。

そんなこんなで、優しげなアメリカ人(ブラッドリークーパー似)が、英語をさらにゆっくりと英語で訳すための私の通訳係に任命され、私の隣に移ってきました。ブラッドリークーパーを挟んで、ポルトガル語と少しのスペイン語しか喋れないブラジル人女性二人組が座り、それ以外の人達は英語かスペイン語のどちらかがペラペラのようでコミュニケーションは円滑に盛り上がっておられました。ブラッドリークーパーはスペイン語も話せるようで、ブラジリアンズにも通訳。私にも通訳で忙しそうでしたが、謎のゲームも始まり、ブラジル人と私の3人だけがルールを理解できずに(バカにされてはなく、あくまで楽しく)笑われる時間を過ごし、変な仲間意識が生まれてきました。

ブラジルと日本と

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左からレイバとイニエル

地球の裏側に住む、あまりにも離れている私たちがなぜかカミーノで出会い、しかも偶然同い年。向こうがとにかく私に興味を持ち色々話しかけてくれました。しかし、すべてポルトガル語。通訳のブラッドリークーパーにも限界があり、もう直接話そうとなり、日本語とポルトガル語の会話がはじまります。9割、コミュニケーションを取れてない、会話のキャッチボールができてないようなやり取りの中、奇跡的に通じ合えた1割でもの凄く喜び合う!みたいな感じで晩餐会を過ごしました。

例えば、着ていた私の青いジャケットを指差しポルトガル語で何やら言い続ける。私は、明日から雨という話の流れやと思ってたので(英語圏の人はそういう話をしていた)、「大丈夫!防水やで!」とジェスチャーも含めて答える。「違う違う!」とポルトガル語で何やら否定し、袖口の穴を指差して何やら話し続ける。穴のことか、と思い、「前から穴あいててー」と話す。ブラジリアンの1人がどこかへ行く。防水用の保護テープを持って現れる。袖口の穴を塞いでくれる。

「あー!それを言いたかったのか!なるほど!」と私が感動。ブラジリアンズも通じたと思って「ジャポ!ジャポ!」と大喜び。

そういうやり取りです。私はペラペラと英語を話せない分、この形のコミュニケーションに全力を注ぐのがとても楽しくなっていました。(注意:なぜかブラジリアンズは全く英語を話せない。書いても分からないことが多かった。)

カミーノ前夜から、2015年のカミーノ最終日まで、私のことを「ジャポ」と呼び続けた2人。この2人と知り合ったことで私の1年目のカミーノは、とても楽しいものになったと思っています。

ブラジリアンズとのカミーノでの毎日

カミーノ前夜からなぜか盛り上がってしまった私達は、道の道中でやたらと出会います。

2日目の朝、同じ宿だったレイバがお腹が痛いと訴えてきてよく分からなかったけど、正露丸を渡したら、その日の夕方、「ジャポ!オブリガード!マイドクター!」と言って熱烈なハグとキスの嵐。おそらく治ったようでした。

どこからでも「ジャポ!!」という2人の叫び声が聞こえてきます。

同い年だけど信じてもらえず、大分年下と思われておちょくられまくります。頭にストールをぐるぐるに巻かれて写真を撮られたり、やたらとお菓子をくれたり。何だかんだと毎日同じ宿。今日は違う宿やなーと思ったら、晩御飯を食べに入った店にいて、「ジャポ!」と呼ばれて一緒にごはん。

あの2人もアラフォーなので、歩くペースが遅い。私は自分で分かっているので早起きして誰よりも早く歩き始めます。なのにブラジリアンズはメイクを朝から頑張りしっかりご飯を食べて出発。私が、6時間歩いている間に大半の人に抜かれていき、20kmほど歩き、もうすぐ着く頃という時に休憩していると、ブラジリアンズがゆっくりと遠くからヨレヨレで現れる。「ジャポ!」という呼び声。そして一緒に宿に入り、並んでシャワーを浴びる。シャワーからあがると、必ずリオの祭り並みのダンスを真っ裸で披露してくれる2人。どこまでも明るくて疲れが吹き飛びました。

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ブラジル風ご飯を作ってくれるイニエル

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つまみ食いするレイバ

Google先生が通訳

言葉が分からない同士の私達が、一体、どうやって仲を深めたか。それは、我らがGoogle先生のおかげです。大体、いつも私達と一緒に、イタリア人の多言語ペラペラガイがいたり、スペイン語が話せるオランダ人ガールズがいたのでコミュニケーションはそれほど不自由しませんでした。(この子達の紹介もいずれしたいです。)だけど、その子達はみな肉体派で歩くのも早いので、いつも最後尾で到着してしまう私達は時々3人だけになることもありました。3人だけで夕方を過ごす時は、Wi-Fiの飛んでいるバルに飛び込みます。そして、Google翻訳アプリを3人で使っての会話。無言で文を打って、相手に見せては爆笑という周りから見たら謎の時間。あれは最高でした。また、Google先生もうまく訳せてない時もあり、よけいに笑ったものです。レイバなんか、「下痢が治ってきた」とかそういうことを見せてくるもんだから笑けます。イニエルは日本の美意識、肌のこと、髪のことなど色々聞いてきます。美意識の高い彼女ならではの質問です。途中でレイバのスマホの充電が切れそうになり、大急ぎで今日の最後のこれだけは聞きたい!って感じでしてきた質問は

「カミーノのメンバーで、誰となら付き合いたい?」

というとてもくだらない質問。

必死な質問がくだらな過ぎて「レイバやわ」と答えておきました。

レイバのくだらない話。(意味不明)

最後の日

 ログローニョの宿で最後の朝を迎えた時、2人は私のベッドまで来てハグの嵐、キスの嵐。意味不明のポルトガル語を長々と真剣に私に話し続け、涙目で別れの挨拶をしてくれました。

私は、何故か、本気で言ってることが分かって、嬉しくなりました。

ゴールするのは別々やけど、魂は一緒に歩いてるからねということです、多分。初日に、イニエルが「カミーノを歩く目的は癌にかかったブラジルにいる友達の完治を祈るために歩く」と言っていて(ブラッドリー訳)、レイバの目的は「イニエルを助けるために一緒に歩く」と言っていて、それを最終日に思い出したので、「友達が治るのを私も祈るよ」と日本語で伝えました。多分伝わったはず。レイバは、イニエルを助けるどころかお腹が痛くなったり足を痛めたりしていましたが、彼女の明るさが助けになるなーと思い直しました。

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後日談

私が帰国した後、無事にサンティアゴまで歩き通した2人。Facebookで今もやり取りをしているのですが、驚いたことが、2人とも、もの凄くゴージャスな生活をしているということ。ブラジル、リオのセレブだったようで、綺麗なドレスでよくホームパーティーを開いていて、びっくりしています。それでも、2年経った今も私のゴールを祈ってくれていて、魂は一緒に歩いてるよとメッセージをくれる素敵な2人です。

 

カミーノについては、このブログの「スペイン巡礼」カテゴリーをどうぞ。↓

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