来月、スペインに飛びます。
目的は、スペインの、カミーノ・デ・サンティアゴの巡礼路を歩くためです。今年で3年目になるんですが、とっても素晴らしい旅なのでご紹介します。
カミーノ・デ・サンティアゴとは
キリスト教の聖地であるスペイン、ガリシア州のサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路のことで、おもにフランス各地からピレネー山脈を経由しスペイン北部を通る道を指します(地図上の赤い線が、一番メジャーな、フランス人の道と呼ばれるものです。)
サンティアゴ・デ・コンポステーラには、聖ヤコブ(スペイン語でサンティアゴ)の遺骸があるとされ、ローマ、エルサレムと並んでキリスト教の三大巡礼地に数えられています。
道自体がユネスコの世界遺産になっているのは、今の所、この巡礼路と和歌山の熊野古道(紀伊山地の霊場と参詣道)だけです。
巡礼ブーム?
歩き疲れた時に必ずナッツをくれたパオくん。(左端)
現在、サンティアゴ・デ・コンポステーラを目指す巡礼者は毎年20万人を超えています。
ハリウッドで「星の旅人たち(The Way)」という映画をしてからアメリカ人が増えたと言われてます。
また、韓国でも、日本の猿岩石みたいな感じで、ドキュメンタリーのようなバラエティー番組でカミーノを歩いたようで、韓国でもメジャーになっているようです。(どちらも巡礼で知り合った仲間から得た、英語で私が理解した部分のみの情報)
日本では、時々BSでちらっと紹介される程度。世界一周のついでに寄るという日本人と数名出会いましたので、バックパッカー内では割と知られ始めているように思います。
私は確か「星の旅人たち」の映画を見て知ったのが初めてだったか…熊野古道でだったか…。熊野古道の本宮大社そばの世界遺産センターみたいなところにも、熊野古道とカミーノの二大巡礼路が大きく展示されています。道の世界遺産同士、観光業に力を入れて協力してるようです。
巡礼と言っても、キリスト教の信仰のためだけでなく(私は浄土真宗)、観光やスポーツ的な意味で歩く人も多いです。現に「星の旅人たち」では、太ったオランダ人は「ダイエット目的」、アメリカ人は「禁煙」などを理由に歩いてました。
私も、スタート地点で、巡礼の理由を英語で聞かれました。歩く動機や目的、熱い思いを長々と語っても良かったのですが、私は自分の英語力と相談して一言でまとめました。
「Adventure!」と。
「Very nice!」と讃えられながら(笑われながら)、2015年の5月に私の巡礼が始まりました。
巡礼って何するの?
祈り続けて歩くわけでもないです。
実は、車や鉄道、バスで移動することもできます。歩く人が大半ですが、自転車や、中世の人にならって馬を連れて歩く人もいます。馬を置いておく場所とかエサとか限られるみたいで、宿探しに困ると言ってるおじさんに昨年会いました。
巡礼路はいろんな道が実はありますが、一番人気があるのは「フランス人の道」です。
ピレネー山脈からすべて歩くと780~900kmの距離で、1日平均20~25km歩くと、ゴールのサンティアゴまで1か月以上かかります。
欧米の巡礼仲間は1ヶ月くらい余裕で休みが取れるので、社会人でも歩き通す人がほとんどでした。
私は、悲しきワーカホリック大国、日本代表なので、仕事を辞めるしかないなと思ってたところ、3回に分けて歩いたらどうだろうと思いつき、フランス人の道を三分割して歩くことにしました。
ま、とにかく、歩き続ける毎日です。一日、20〜40km。バックパックを背負って、ひたすら、イベリア半島を西へ向いて歩いていきます。いつでも西なので、毎朝、朝日が後ろから登ります。
日の出直後はいつ撮っても足長おばさん。
それの何がおもろいねん?と思った方。
おもろいんですよ、それが。
その魅力についてはまた後日語りたいと思っています。私のブログよりも、映画「星の旅人たち」を見れば一発でしょうが…。
セックス依存症でHIVのお騒がせ俳優チャーリー・シーンの実のお兄さんが、監督と息子役をして、実のお父さんがお父さん役(主役)をやってます。残念ながら「星の旅人たち」というセンスのかけらもない邦題がついてしまってます。(個人的にダサい邦題をつけられた映画を思うと切なくなります。)「The Way」という原題のままで良かったんちゃう?と思う映画です。ザ、ウェイ!